山政のホームページやブログにて、しつこいほど嫌みに感じられる程、壊れたスピーカーのように繰り返してお話している、山政の佃煮製造とっておきの秘技と言えば・・・
「かえし釜」
に他なりません。
では、その秘伝中の秘伝もしくは奥義中の奥義である「かえし釜」とは、いったいどのようなワザであるのか?
はたまた、そのワザを繰り出した結果、山政の佃煮はどのように美味しくなるのか?
弊ブログをお読みの超ご奇特な読者様にもご存じない方が大勢いらっしゃるのではないかと拝察申し上げます。
そこで、本日の弊ブログでは「かえし釜」のワザの解説と具体的に何を目的として斯様な面妖かつ複雑怪奇なワザを山政の佃煮職人たちが編み出したのか?
とくと皆様にご説明申し上げたく候・・・なのでございます。
山政の昔ながらの濃い味の佃煮。これは、やはり昔からとっくりと使い込まれている鉄鍋でコトコトグツグツに煮込まれます。そして釜から佃煮を出す最後の仕上げの段階で「かえし釜」を繰り出すのでございます。
まあ、「秘技」とかいかめしい言葉を使っておりますが、要は鉄釜をしっかりと両手で持ち上げ、腰のあたりに抱え込み、釜の中身を丸ごと空中に放り上げて、ひっくり返す・・・と言う見た目には非常に単純明快極まるワザなのでございます。
こうして文章に書いてみると、
「なーんだ、カンタンじゃん。フライパンでチャーハン作る時みたいにご飯や具をひっくり返すようなもんだろー、あはははは」
等とお考えになる方もいらっしゃるかもしれませんが、ところがどっこい、佃煮がたっぷり入った鉄釜の重さはまさしく半端ございません。少なくとも30kg以上はございます。30kgと言うと、スーパーさんで売っている10kgのお米が3袋分ですからね。
しかも、さらに鉄釜自体がもの凄く熱い!
コレを両手で持ち上げて腰の辺りに抱え込んで、「エイヤッ」と中身を丸ごと空中に放り上げるなんて、とてもじゃございませんが、普通の人間に出来るモノではございません。
では、なぜ鉄釜を持ち上げて中身をひっくり返すのか?
その目的は、鉄釜内部のタレの濃度を均一に均すためでございます。鉄釜の内部でもタレの濃い部分、薄い部分が発生してしまいますから、それを均一にしなければなりません。
それならお玉とかヘラを直接鉄釜に突っ込んで、かき回せばいいじゃないか?
と言う疑問をお持ちになるかもしれませんが、ところがどっこい、
かき混ぜると、せっかくキレイな四角形に保たれている鮪や鰹の角煮の形が、見るも無惨に破壊され粉々に砕けてしまうのでございます。こうなってしまうと、もはや角煮ではなく、またお客様に提供できる商品としての価値も無くなってしまいます。
と言うコトで、おそらくは山政の佃煮職人の先人たちは、角煮の形を壊さずに鉄釜の内部をどうやってかき混ぜたら良いのか、きっといろいろと悩みに悩み抜いた結果として、「かえし釜」というワザを編み出した・・・
と言うワケなのでしょうね。
本日、お奨めの一品は、山政の佃煮職人の秘技、「かえし釜」で仕上げられた、
コチラ ⇒
鮪角煮小判